FX経済指標スケジュール 【2011年5月23日】

前回の米ドル/円為替相場の動き

先週末の米ドル/円相場は、前日に発表された米経済指標の悪化による米ドル売りが一服し、東京市場では、８１．７５円付近へと上昇しました。その後は、日銀金融政策決定会合を控えて、小幅な値動きとなりました。


欧州市場に入ると、ギリシャ１０年国債利回りが過去最高を更新し、ドイツ債とのスプレッド差が拡大したことがユーロへの信用不安へと繋がり、いったんは対ユーロでの米ドル買いに連れて上昇したものの、その後はリスク回避の円買いへと発展しました。



NY市場に入っても、ギリシャを巡るユーロ懸念から、対ユーロで米ドルを買う動きが続き、米ドル/円も連れて上昇しました。


その後、米アパレル(服飾)企業大手ギャップの業績見通し引き下げから軟化していたNYダウが持ち直し、金・原油価格も上昇したことから、リスク回避ムードが後退すると、米ドルが売り戻さる展開となり、最後は８１．７０円で取引を終えました。




ギリシャ債務問題を巡って、リスク回避ムードとなっており、ユーロに対して、米ドルや円が買われやすくなっていますが、米国は経済指標が振るわず、日本も第１四半期国内総生産(GDP)速報値の大幅な下振れから、積極的には買いづらくなっており、米ドル/円は方向性に乏しい展開がとなりそうです。

前回のユーロ/円為替相場の動き

先週末のユーロ/円相場は、前日の米経済指標結果を受けて、対米ドルでユーロ買いが優勢となっていた流れを引き継ぎ、東京市場では、一時１１７．１０円付近へと上昇しました。


欧州市場に入ると、ギリシャ国債利回りの上昇とともに、ドイツ債とのスプレッドが急激に拡大したことや、週末に行われるスペイン地方選挙を警戒して、ユーロ売りが優勢となり、１１６．１５円付近へと反落しました。



また、NY市場に入ると、英格付け会社フィッチ・レーティングスが、ギリシャ格付けを「BB+」から「B+」へと３段階引き下げたことや、ノルウェーがギリシャへの４２００万ドル融資を中止したことから、さらに１１５．５０円付近へと続落しました。


その後、金・原油価格の上昇に伴い、ユーロ/円も１１６．１０円付近へと反発しましたが、NYダウが下げ幅を拡大すると、リスク回避の円買いが進み、最後は１１５．７０円まで値を下げて取引を終えました。




ユーロ/円相場は、ギリシャ債務問題の先行きに注目が集まっていますが、英格付け会社のギリシャ格下げや、ノルウェーの融資中止など、ギリシャへの各国の評価は悲観的な見方が強くなっています。


また、スペイン地方選挙では、現サバテロ首相率いる社会労働党が大敗しており、高債務国のスペイン財政再建にも波及する可能性があるとして、警戒心が強まっていることから、引き続き、ユーロ/円は売られやすい展開となりそうです。

時間	通貨	重要度	経済指標・主な行事	前回･予想	結果
14:00			3月景気一致指数(ＣＩ)・改定値	前回：103.6	103.5
14:00			3月景気先行指数(ＣＩ)・改定値	前回：99.5	100.1
14:00		△	4月消費者物価指数(ＣＰＩ)(前年比)	前回：5.0％ 予想：4.4％	4.5％
17:00		△	5月製造業購買担当者景気指数(ＰＭＩ、速報値)	前回：58.0 予想：57.5	54.8
17:00		△	5月サービス部門購買担当者景気指数(ＰＭＩ、速報値)	前回：56.7 予想：56.5	55.4
17:30		△	4月消費者物価指数(ＣＰＩ)(前年比)	前回：4.6％ 予想：4.6％	4.6％