ストレステストとは？

ストレステストとは？

ストレステストと聞くと、現代病の主な原因とも言われている、あのストレスの溜まり具合を診断するテスト？と思われがちですが(笑)、FXや株式投資などの投資・金融業界では、次の意味を指しています。



ストレステストとは、対象となる企業や国家の経営状況が健全かどうかを審査するテストのことです。


テストの内容では、万が一、企業の業績や、為替相場が◯◯％下落した場合などと“不利になる状況”を仮定して、対象者が健全とされる基準内に収まるかどうかを検査されます。


ストレステストの実施時期については、他の経済指標のように定期的に行われるものではなく、自国や他国で有事が起きたときなどに不定期で行われます。



学校のテストで言うと、期末試験が一般的な経済指標ならば、ストレステストは抜き打ちテストのようなものでしょうか。不合格となった場合には、国の支援や救済を受けるなどして、合格するまで再テストが行われたり、運営停止などのペナルティが与えられます。




日本では、２０１１年７月６日に、国内の全原子力発電所(原発)を対象としたストレステスト(事故・災害への耐性調査)を実施することが話題になりましたが、EUでも、日本の原発問題を重くみて、震災から間もない３月２５日には、EUの全原子力発電所を対象とするストレステストの実施を決定しました。


また、ユーロ圏では、２０１１年７月１５日に、ギリシャの債務問題(＝借金が期日までに返せそうにないけどどうしよう・・・)という危機を受けて、ユーロ圏の９０社の銀行を対象とした「欧州ストレステスト(健全性審査)」も大きな話題となりました。

ストレステストが与えるFXへの影響は？

それでは、ストレステストがFXにどのように影響してくるのかというと、ストレステストが行われるきっかけとなるのは、ただならぬ有事が起きそうなときや起きた時です。


日本なら原発事故、EUでは高債務問題、米国では、リーマンショックがきっかけとなり、ほかの同業種や関連企業を対象としたストレステストが行われました。



つまり、ストレステストは、「今後また同じような事が起こったりした時に耐えられるの？危ないんじゃないの(汗)？？」ということを審査しているため、ストレステストの結果はとても注目されているのです。


仮に、不合格がたくさん出てしまうと、その国の経営状況全体が危ないとも判断し兼ねられませんので、対象国の通貨が下がったり、輸出入などの取引が多い相手国の通貨が下がることもあります。





それでは、欧州ストレステストを例に挙げて、FXでの影響を簡単に見てみましょう。



欧州ストレステストは、ギリシャの債務問題が深刻化してきたことから、欧州各国の銀行のうち、９１の銀行が選ばれてテストの受けることになりました。


そして、そのうち８３社が合格し、ギリシャ(２社)、スペイン(４社)、オーストリア(２社)の８社が不合格となったのです(不合格となった銀行の預金者からすれば、気が気じゃありませんよね、汗)。




FX市場では、次の３点に注目されました。


・ 市場予想と比べて、不合格になった数は多いか少ないか
・ 欧州でも、特に借金に困っているギリシャの銀行はどうか
・ 借金を抱えている、ほかの国ではどうか



欧州ストレステストの結果発表後は、不合格となった銀行が出たことで、ユーロ/円、ユーロ/米ドルなどで軒並みユーロが売られて下落しました。









ただ、その後は、安くなったユーロをチャンスとばかりに買う投資家が出てきましたので、上昇していることが分かります。




このように、ストレステストの結果によって、FXにも影響を及ぼします。


また、経済指標発表スケジュールを見ておけば、ストレステストの発表予定時間を事前に確認することができますので、事前にしっかりチェックしておきましょう。